心理的安全性にチームみんなで取り組んでみた話

はじめに

こんにちは!ecbeingの鈴木です。

2005年にecbeingへ新卒入社し、在籍17年。
長年プロジェクトマネジメント業務に携わってきましたが、近年はエンジニアマネージャーでいうところのピープルマネジメントを軸として活動しています。


さて、今回の記事では心理的安全性について触れたいと思います。 そうです。巷で良く耳にするようになった心理的安全性です。
大事だとは思うけど、実際何をすればいいんだろう?なかなか行動が伴わないと悩んでいる方も多いのではないかと思います。

(かくいう私もそうでした・・)


そんな方に向けて、あくまで一例としてですがecbeingプロダクトチームが取り組んでみたことを紹介したいと思います。

取り組んだ背景

本ブログでも何度かピックアップしていますが、われわれecbeingプロダクト開発チームは、学び/成長につながる活動や文化づくりを意欲的に行ってると自負しています。


※ほんの一例ですが過去のブログはこちら
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採用面接でエンジニアの方々に紹介すると結構感心していただいたり、実際に中途採用でジョインしてくれたメンバーの入社後満足感も高いと思います。

私自身、現在の所属チームには1年ほど前の2021年5月に社内異動したのですが、これまで取り組んできたものがチーム文化としてしっかり根付いているなあという感触を持っていました。それと同時にメンバー1人1人がさらに働き甲斐を感じられる職場になれば、とてつもないパワーが生まれるのではという期待感も感じました。


そんなさなか、書籍「心理的安全性のつくりかた」(石井遼介さん著)を読んで、想いがさらに強まりました。それまではなんとなく知ってる程度でしたが、改めて学んでみてその可能性にワクワクした感覚が忘れられません。実際にチームメンバーと話してみると、その重要性は感じているが具体的にはどうしたらいいんだろうという所感が大半でした。
そこで自然な流れでチームで心理的安全性をテーマアップし、取り組みを始めてみることになりました。

おおよその流れ

約半年を通して取り組んできたことを図にしてみるとこんな感じです。

実際やってみたこと

それでは、実際に取り組んでみたことについて、なるべくイメージが沸きやすいように画像つきで紹介していきたいと思います。

組織のリーダー陣で輪読会をやってみた

まずはチームのリーダー陣が正しく理解することから必要だろうということで 心理的安全性の提唱者であるエイミー・C・エドモンドソン教授の「恐れのない組織」の輪読会を行いました。

輪読会の開催概要 参加人数:6名
頻度:週次
回数:5回
所要時間(1回):1.5H
進め方:事前に書籍を読んで、miroに意見を書き出す。当日は書き出した内容の共有とディスカッション。

実際の輪読会用のmiro

さすがに多忙のリーダー陣ということもあり、ランチタイムでの開催としました。
一人で書籍を読むよりも理解度は各段にアップし、やっぱり大事だよねという共通感覚を醸成できたことが一番の収穫でした。
(同じ釜の飯を食う的な♪)

プロジェクトとして立ち上げてみた

これまでプロジェクトマネジメントを仕事としてきた身として、ものごとを進めるにはまずプロジェクト化してしまおうということで、プロジェクト計画書を作成しました。
ネーミングがあると愛着が沸きやすいかなと思ったので「ハピネスジャーニー」通称ハピジャニとネーミング♪

プロジェクト計画書の表紙

ちょっと恥ずかしくなるくらいのビジョンを掲げ・・

ネーミングに込めた想いを、メンバーに共有・・


心理的安全性という目に見えないものに対して、暗黙の了解に近い形で取り組んでいては変化は起きづらいだろうと思っていました。ただ、本気で取り組むぞっていうのは少し恥ずかしかったり、なかなか勇気のいることだったりすると思います。
そんな思いを置いてきぼりにするくらいの強いメッセージを伝えることで、メンバーみんなが意識し、共感しやすい環境づくりのきっかけになったのではないかと思います。

みんなで勉強会してみた

輪読会で学んだ知識や想いをメンバーみんなに伝えるためにまずは集合研修型の勉強会を開催しました。
メンバー全員が共通認識を持った言葉として心理的安全性というのものを理解する必要があると思いますし、一歩間違えると目標が低い、ぬるい組織になるリスクもあるということを個々人がしっかりと理解しておくことが重要だと思います。


勉強会後のアンケートを見ると、心理的安全性は誤解を生みやすく、共通認識を持つことの重要性を改めて感じました。

「心理的安全性についてちゃんとは理解できていなかったが、今までの認識が間違っていたことはわかった。 」
「心理的安全性を誤解している人が多いと思うのでいろいろなところで勉強会した方がいいとう。 自分も誤解していたうちの一人。」


また、心理的安全性を高めるためには具体的にどうしたらいいんだろうという課題感が強いということもわかりました。

「心理的安全性をつくるということは区切りでは考えるが、具体的にどうしていけばよくなるということがふわっとしか考えられていない状態だったので、理論的な視点で心理的安全性について学ぶことができてとても勉強になった。」
「心理的安全性を定量的に測れる方法などあれば知りたい。」
「心理的安全性を上げるための具体的手法をもう少し知りたい。」


そこで次のアクションとして、勉強会の知識をもとに、具体的にどんな行動を取るべきかをみんなでブレストしてみることにしました。

みんなでブレストしてみた

インプットだけで行動が伴わなければ、何も変わらないよねという共通認識持ったうえで、勉強会で学んだ知識をベースに、じゃあ具体的に何が課題なのか、具体的にどのような行動をとっていこうかということをみんなで出し合いました。


ここで出たアイデアから、チームの行動テーマをピックアップして後述のウィンセッションのカイゼンにつながります。

ウィンセッションをカイゼンしてみた

チームでは以前からウィンセッションを実施していました。
週次でいろんな成果を共有して、メンバー同士で称賛し合おうという取り組みです。が、正直いって盛り上がりには欠けていました。


それまでのウィンセッションはOKRの成果共有が基本的な考え方だったので、成果をきっちり共有しないといけないという雰囲気があり、フランクな雰囲気や盛り上がりがもっとほしいなと感じていました。 チームの中に盛り上げ上手な人がいたりすると、ノリで盛り上がったりするケースもあるとは思うんですが、そんな才能を持ったメンバーがいないというチームも結構あるかと思います。
私自身も場を盛り上げるのは苦手です。。


ただ、せっかくやるならチームみんな気分がよくなるイベントにしたい。
少しずつでも雰囲気を変えていけないかと、ウィンセッションの進め方のフレームを作って取り組んでみました。

工夫したこと ・miroをベースにしてオンラインで実施
・5分間で自分のコメントを付箋で張り出し、25分間でみんなで共有しあう
・称賛はmiroのリアクションやチャットを使って、気軽にリアクションしやすく
・ハピジャニ枠(心理的安全性)を作って、ブレストで決めた行動を称賛できるように
・プライベート枠を作って、フランクな話題も出やすく
・アウトプット共有枠を作って言葉だけではなく具体的な成果が共有されるように
・なんでも枠を作って、しきいを下げ、発言量が増えやすいように
・失敗からの学び枠を作って、失敗も前向きにとらえられるように


実際のウィンセッションの様子

最初は多少戸惑いもありましたが、徐々に雰囲気は変わり今ではチーム外の人にも胸を張って見てもらえるウィンセッションになったなと思います。
毎週金曜日に実施していますが、週の終わりにみんな笑顔で同じ時間を共有できるということが、チームの心理的安全性に与える力を本当に感じています。

心理的安全度を定期的に計測してみた

心理的安全性は客観的に見えづらい部分も多いので何かしら基準を設け、定量化したいなと考え、アンケートフォームを作成しました。アンケート項目は先述の書籍「心理的安全性のつくりかた」を参考にさせていただきました。


こんな感じのアンケートフォームを作成して3か月ごとに収集しました。

結果としてはこんな感じになりました。※縦軸が大きいほど、肯定的な回答が多い

プロジェクトとして立ち上げたのが9月、その3か月後には質問の全項目で肯定的な回答が増えました。
定量化することでチームの自信になったり、チームの課題感が明確になったり、場合によっては評価が下がったりすることもあると思いますが見える化されるというのは非常に大事なことだと思います。
浮き沈みについてみんなでざっくばらんに話してみるなんていうことも心理的安全性に寄与する効果は高いのではないかなと思います。

まとめ

以上、一連の流れをふりかえってみてポイントだったなーと思うことを改めて上げてみます

・個々人が正しく理解する
・強いメッセージアウト
・頭に残りやすいネーミング、キャッチフレーズ化
・変化を実感する仕組み


心理的安全性はチーム単位で存在するといわれます。
我々ecbeingは、組織の急拡大期にあり、チームもどんどん増えていきます。
今回の取り組みを一緒に行ってくれたメンバーがチームリーダーになり、自チームの心理的安全性を強く意識した言動や姿を見ていると非常にうれしく、頼もしく思います。
こうやって組織文化というものが伝播し、根付いていくのだなという過程を本当に実感している今日このごろです♪


最後までお読みいただきありがとうございました。 少しでも、みなさんのチームの心理的安全性を考えるきっかけ、行動に移す勇気になればうれしいです。


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