はじめまして、ecbeingのリーダーてるです。
みなさんは『孫子』という書物を聞いたことはありますか?
『孫子』は紀元前500年頃に孫武が作成したとされる兵法です。それまでの戦では、勝敗は運に左右される考えが強かったのですが孫武は分析・研究し、勝利する為の指針を理論化したとされています。『孫子』の書物は、曹操や織田信長などの武将が読んでいたそうです。
実は、『孫子』は現在のビジネスでも適用する指針が記述されてます。ビジネス界でも多くの著名人が愛読されていたと言われています。今回、経営者以外の社会人にも役に立つ方法を10個、紹介します。
※読み方は一例であり、他の解釈や読み方もあり得ます。また文脈も、人によって異なる解釈になることがある為、ご了承ください。
- 1. 勝は知る可して、為す可からず(前向きに考える)
- 2. 形によりて勝を衆におく(マネをする)
- 3. 吾がもって待つ有るを恃むなり(時間を作って自分磨きをしよう)
- 4. 生を養いて実に処れば軍に百疾なし(健康第一)
- 5. 兵は勝つことを貴び、久しきを喜ばず(大きいゴールより通過点のゴールを目指す)
- 6. 廉潔は辱むべきなり(柔軟に対処すること)
- 7. 憤りをもって戦いを致すべからず(感情に流されてはいけない)
- 8. 囲む師は必ず闕く、窮寇にはせまることなかれ(余裕ある環境が必要)
- 9. 之を犯うるに事を以てす(根本の原因を知ること)
- 10. 日に千金を費やし、然る後十万の師挙がる(コストを意識する)
- 最後に
1. 勝は知る可して、為す可からず(前向きに考える)
- 読み方
かつはしるべして、なすべからず - 解釈
仕事をする際、必要な情報収集や計画を立てることは必要ですが、把握している情報だけでは「わからない」「できない」ことが出てきます。人は気持ちによって行動が制限されてしまい、必要な準備を怠ってしまう可能性があります。やりたくない気持ちも分かりますが、ネガティブな気持ちのまま仕事しても状況は変わらないことが多いです。
「〇〇だからできない」ではなく、「〇〇が解決すればできる」に変換するだけで気持ちも前向きになります。
2. 形によりて勝を衆におく(マネをする)
- 読み方
かたによりてまさりをしゅうにおく - 解釈
効率の良い仕事の仕方や考え方は一長一短では身に付きません。まずは身近な先輩や上司をマネしてみましょう。絵画の模写のように、マネすることで知識や考え方を学べるかもしれません。
これは「類似性の要因」といわれ、自分に似た人は友好的になりやすい傾向があります。
3. 吾がもって待つ有るを恃むなり(時間を作って自分磨きをしよう)
- 読み方
わがもってまつあるをたのむなり - 解釈
時間は平等であり有限です。時間を有意義に使うことをお勧めします。人生では「チャンス」が訪れることが度々あります。「チャンス」を掴めるよう準備しておくか、準備せずに成り行きに任せるかどちらが効果的か一目瞭然です。
通勤時間や5~10分でもよいので、いつか訪れるチャンスの為に自分を磨いてみましょう。また、時代は常に変化していきます。変化に対応するために柔軟な思考と想像力をもちましょう。
4. 生を養いて実に処れば軍に百疾なし(健康第一)
- 読み方
せいをやしないてじつにこなればぐんにひゃくしつなし - 解釈
いつの時代も人の健康は必要不可欠です。時には気力で仕事を乗り切ることも大事ですが、無理をしすぎて働けなくなるのは本末転倒です。
健康であることで本来の仕事ができ、心の余裕をもつことで新しい発想や柔軟な思考を持つことができます。
5. 兵は勝つことを貴び、久しきを喜ばず(大きいゴールより通過点のゴールを目指す)
- 読み方
へいはかつことをたっとび、ひさしきをよろこばず - 解釈
人は長期的な目標を立てると、やる気を出しづらいものです。意欲もわかず、時間だけが過ぎていく危険があります。目標を分解して、目先の目標を立てることで、やるべきことが見えてきます。
まずは小さいゴールを設定して進んでみましょう。
6. 廉潔は辱むべきなり(柔軟に対処すること)
- 読み方
れんけつははずかしむべきなり - 解釈
仕事ではルールがあります。ルールには「してはいけないこと」も含まれます。もちろんルールを守ることは大事ですが、厳格に順守しすぎることで仕事の効率が悪くなることもあります。ときにはルールを破ることで、大きな成果が生まれます。
ルールは大事ですが柔軟性を持つことも大事です。
7. 憤りをもって戦いを致すべからず(感情に流されてはいけない)
- 読み方
いきどおりをもってたたかいをいたすべからず - 解釈
仕事に関わらず、感情的になって行動しても良い結果になりません。冷静な判断が出来ず、後で後悔してしまう可能性があります。離席などで気分転換を行い、冷静になってから仕事を再開しましょう。
気分転換しても気持ちが変わらない場合は、第三者の意見を求めてみると気持ちの整理が出来たりします。
8. 囲む師は必ず闕く、窮寇にはせまることなかれ(余裕ある環境が必要)
- 読み方
かこむしはかならずかく、きゅうくうにはせまることなかれ - 解釈
話すとき、正論を述べて相手を追い詰めてしまうことは危険です。相手は委縮してしまって上手く伝えられず、自身の作業に支障が出てしまうことがあります。
多少のミスが起きても、追い詰めすぎずに余裕をもって応対しましょう。
9. 之を犯うるに事を以てす(根本の原因を知ること)
- 読み方
これをおかうるにことをもってす - 解釈
問題が起きたとき、責任を追及しても”本当の問題”は解決しません。「なぜ問題が起こったのか?」を追求し、客観的な情報と冷静な判断に基づいて対処し、再発防止に取り込むことが重要です。
真因分析を行うことで、”本当の問題”を見つけ出して解決していきましょう。
10. 日に千金を費やし、然る後十万の師挙がる(コストを意識する)
- 読み方
ひにせんきんをついやし、しかるのちじゅうまんのしゆうがる - 解釈
戦では「戦わずして勝つ」ことが上策といわれており、ビジネスでもコスト意識を持つことが重要です。
意味もなく集まる会議や単調な作業など、常にコストを削減できる作業がないか考えましょう。
最後に
いかがでしょうか。
2500年も前に書かれた『孫子』には、現在でも参考になる考えが整理されています。
他にも仕事の参考になる考えが記載されていますので、参考にしてみてください。