社会人コミュ力の虎の巻をめざす記事 報連相編

皆さん初めまして。BtoBプロダクト開発部の石田です。

2月も半ばを過ぎ、暦の上では春になったそうですね。
最近は春一番も訪れて、着々と次世代の新人の入社時期が近付いていることを感じます。

そんなわけで今回は、若手や就活生の目に留まるかなと淡い期待をしつつ、
社会人コミュ力というテーマで執筆してみたいと思います。

本記事の要領

突然ですが、筆者は実は昨年まで、人材育成を担当する部門に所属しておりました。
社会人コミュ力に関する考え方は、基本的には当時の上司の考え方を踏襲しています。
本記事は、以下のような方を読者にし、社会人としてのコミュニケーション方法の指南書を目指すものです。

  • 社会人としてのコミュ力を向上させたいけど、何から手をつけていいかわからない若手
  • 弊社の新人研修で扱う「社会人スキルアップトレーニング」を全体的にざっくりと学べるor復習できるような読み物を求めている方
  • 社会人として必要なコミュ力のレベルを知りたい新卒社会人・就活生

今回紹介する理論は、書籍等を参考に構築されたものです。研修を通して一定の成果も得られていますが、あくまでひとつの考え方に過ぎません。
どんな場面にも柔軟に通じるとは限りませんので、どうか皆様ご認識おきください。

社会人コミュ力とは

前段として、そもそも社会人コミュ力とは何かという話をします。
少なくとも、「同じ会社の人とすれ違ったら挨拶しましょう」なんて話をしたいワケではありません。
社会人コミュ力において達成されるべき重要要素のひとつは、

相手が「短い時間で、正確に把握できる」よう、効率よく伝える

ことです。
これができる若手とできない若手とでは、キャリア形成にも大きな差が生じる可能性が高いです。
社会人コミュ力が高い→報連相を効率的にこなせる→ひとつの仕事の全体を通してかける時間を他者よりも少なくできる→経験できる仕事量が増える というロジックを辿ることができるからです。


すなわち、この「短い時間で、正確に把握できる」伝え方を記すことこそが、本記事の目的ということになります。

報連相

ではさっそく、短い時間で相手に正確に内容を伝えるための技術について記していきます。 皆さんは、まず最初に身に着けるべき手法は何だと思いますか?

筆者の考えでは、目的達成のために最初にモノにすべきは報連相の型です。 製氷皿、って分かるでしょうか。あれは型があるから氷が作れるといいますか、報連相も型を理解してそこに内容を流し込んでいくことで、効果的なものが作れるようになります。

特に最初のうちは、以下の3つを押さえて"形からモノにする"ことが重要です。

報連相の型

自分で組み立てられるようになるために3つの要素を押さえる必要があります。

  1. 結論先行
  2. 適切な分類をする
  3. 構造

ひとつずつ見ていきます。

1. 結論先行

最も伝えたい内容を、最初に簡潔に述べるべしという話です。結論先行にすることで、相手が話を先読みしつつ聞けるようになり、こちらの伝えたい内容も理解してもらいやすくなります。(多くのウェブサイトで簡単に解説情報が得られるため、具体例等は省略)

2. 適切な分類をする

今から伝える内容がどういった類のものなのかを示すため、「報連相の分類」もあわせて伝えるようにします。弊社流でおすすめしているのは、以下5つの使い分けです。

 報告:義務のある情報伝達
 共有:義務はないが、伝えておくとプラスに働きそうな情報伝達。「連絡」相当。
 相談:そのままの意。何か他者へお願いしたいことがある場合にも使用。
 確認:そのままの意。
 質問:そのままの意。

3. 構造

結論と分類が決まったら、構造面で以下3点に気を付けながら内容を組み立てます。

i) 基本の順序
分類と個数→結論→背景→補足
背景…理由や根拠
補足…相手が気になりそうな内容 ※先読みして入れ込む

ii)悪いことファースト
複数の報連相を同時に行う場合に、相手にとってマイナスとなる話を先に伝えること。
なぜなら、悪いことは早めに知りたい(早く対処するに越したことはないし、「タスクが終わらない」に代表される悪い報告というのはチームや会社の動きに影響を与える内容が少なくないため、上司/先輩にとって早めに欲しい情報)ため。

iii)コンパクトさも重要
「共有1点、相談1点」の計2点の報連相を行うその前に、もう少し短い報連相にできないか?を考えること。 例えば、背景や補足情報として組み込むことはできないか?等。
■共有1点、相談1点の報連相(イマイチな例)
・共有:健康診断をリスケする必要がある
・相談:この日にリスケしたいので社内MTGをずらしてもよいか
 ↓
■相談1点のみの報連相(良い例)
・この日の社内MTGをずらしてもよいか。
 背景として、健康診断のリスケをこの日にしたいため。

型を押さえた報連相の例です。

@ 開発チーム
Visual Studioの設定について質問が2点あります。 --- 分類と数
①英単語のオートフォーマット設定を解除する方法はあるでしょうか? --- 結論①
 具体的には、Functionaが勝手にFunctionA()に変換されないようにしたいです。
②改行がVS側で勝手に削除されないようにする設定はあるでしょうか? --- 結論②
新しいバージョンのVisual Studioに移行したところ、使い勝手が色々と変わったようで困っています。 --- 背景
ご存じの方がいらっしゃいましたら、知見をお貸しいただければ幸いです。


なぜこうも型にこだわってルールを説くかというと、カタチさえ整わない中では、内容の改善どころではないからです。 型がなっていないと「結局、何なんだ?」と相手に思わせてしまい、スムーズな報連相を自ら阻害してしまう可能性が高まります。


到達点として目指したいのは、とにかく何度も報連相の回数を重ねて、逐一アタマで考えなくても適切な構造がとれるくらいのラインですね。
(この後扱う「報連相の内容」を組み立てることも大変なのに、構造も考えながらその場で話さないといけないとなると常人の頭はパンクします)

型の練習は仕事以外でもできますので、例えば報連相を練習したい者同士で、あるいは会社員経験のある知人に練習相手をお願いして、など色々試せると思います。ぜひやってみてください。

ということで、まずは結論先行・報連相の分類と数・構造、を会得しようという話でした。

報連相の内容

それでは次に、報連相をする際に内容面で気をつけたいポイントについて、4つに分けて記していきます。

1. 事実と意見、情報発信元を区別する

事実と意見は混ぜるな危険
意見や憶測を「事実」かのように伝えた結果、誤解や損失が生まれたと仮定して、一般社員に過ぎないあなたが責任を取れますか?という話です。
例えば現状のタスク進捗を報告するなら「事実」相手の発言の背景を予想して伝えるなら「推測」を選ぶようにします。
これは筆者の憶測ですが、事実と意見を混ぜてしまう部下は、上司にとってまさに塩素ガスのような存在なのだろうなと思います。。(混ぜるな危険!)

発信元は正確に
自分の発言なのか、他者の発言なのかを分けて話すことです。
そうすべき理由は筆者の考えでは理由は2つあります。
1つは発言責任の所在をはっきりさせるためです。
1つ目は、情報の発信元によってその情報の価値が変わるからです。(信ぴょう性、提案を採用したい度合い、経験則がもたらす重み…等)

2. 前提を入れる

その情報がないと最後まで話を聞いてもらう前に「待った」がかかると思うなら、メインの報連相の前に前提を入れたいです。
前提の入れ方としては、それ自体を「報告」と銘打ってひとつの報連相として立てる方法や、結論の前に「前提として、実は~」と入れ込む方法等があります。

<補足>
・前提:先に伝えておかないといけない内容
・背景:結論より後に伝えても問題なさそうな内容。理由や根拠

ちなみにこれを執筆しながら、話途中で「待った待った、先にその件確認していい?」と止められることが多いことに気づいて冷や汗を書いてかいている筆者です。

3. 効率的・効果的な手段を選ぶ

主に3つ(①対面②個人チャット③全体チャット)の手段の中から、状況に最も適したものを報連相の手段に選びます。表参照。
*報連相が緊急のものなら、対面>チャット
*一瞬で解決するクローズドクエスチョンなら、チャット>対面
といった使い分けが必要です。

4. こちらが答える側の場合

報連相を受ける側になった場合にも気をつけるべきポイントは多いのですが、今回は、新人がよく注意されているのを見かける2点に絞って記載します。

  • わからないなら、素直に「わからない」と伝える
  • 余計なことを言う前に、まずは質問に答える

 あるあるダメな例)
 上司「このバグって既存なの?」
 部下「それは○○さんが調べてくれていてですね…」
 上司.。oO(話が長くなりそうだな、一旦遮るか。)
   「つまり、まだわからないってことでいい?」

報連相の内容については以上です。
本当はもっと色々と記したかったのですが、ネタが多すぎてとんでもない文量になってしまった(現在5000字強)ので、次回に持ち越します。

最後に

今回は社会人コミュ力として必要な報連相をテーマに、身に着けたい基本的なポイントを紹介しました。この報連相の基礎に関する記事を通して、社会人コミュ力を身に着ける必要性と、その手法が少しでも伝わったなら嬉しいです。
しかし、知っていることと実際にできることは同じではありません(ラーニングピラミッド[1] が有名ですね)。 そのため皆さんにはぜひ、実践を通して、モノにする確率を高めていただければと思います。

ラーニングピラミッドによると、読書時の学習定着度は10%なのに対し、自分で実践することで75%まで引き上げることができるとされています。
ラーニングピラミッド


そして、社会人コミュ力は報連相だけでどうにかなるものではありません。今回書ききれなかった話も含め、そのうち続編を執筆したいと思っておりますので、ご覧いただけると嬉しいです。 それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

参考

  1. 平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは? | キャリア教育ラボ
  2. 田中耕比古『一番伝わる説明の順番』フォレスト出版, 2018年
  3. 大石哲之『コンサル一年目が学ぶこと』ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2014年



スペシャルサンクス
ブログテーマにしたいと相談したときに快く了承くださったS部長、上司先輩との報連相失敗ネタを分けてくれた40名の同期の皆さん、配属直後の筆者をメインで指導してくださった製品開発のOさんAさんMさんKさん、新人に期待するコミュ力についてのヒアリングに協力くださったWさんMさんYさん、コミュ力強化研修を通してネタをたくさん作ってくれた2023新人の皆さん、コミュ力強化研修を運営してくださった人材育成部門の皆さん、そして、毎晩遅くまで2024研修の準備を進めてくれている元同僚のOさん(作業スペース貸出とネタ吟味を手伝ってくれてありがとう)
この場をお借りして、改めて感謝を申し上げます。

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