はじめに
はじめまして、杉江です。
ecbeingに転職してから、あっという間に8カ月が経ちました。SES企業の客先常駐から転身したことで、自社プロダクト開発という新しい領域に触れることができ、今までとは全く異なる刺激的な日々を過ごしています。
今回は、SESから自社開発に転職して私自身が感じた自社開発とSES企業での業務の違いについて、簡単にご紹介したいと思います。私の経験から得た見解ですので、ご自身の経験や考え方と異なる場合があるかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでいただければ幸いです。
SESとは
SES(System Engineering Service)とは、システム開発における委託契約の1種であり、ソフトウェアやシステムの開発、保守、運用など特定業務において、エンジニアの技術力を提供する契約のことです。
SESは、プロジェクトの内容に応じて、受託開発や客先常駐などの作業形態がありますが、私は客先常駐での作業が主でした。
スキルについて
自社開発の場合
継続的に同じ技術を使用することが多いため、一つの製品やサービスに特化したスキルを習得することができます。また、自社で開発プロセスを決定するため、技術的な問題に直面した際には解決策を見つける必要があります。その結果、技術力の向上につながると感じています。さらに、エンジニアが開発する製品やサービスに対する理解を深めることも可能です。そのため、顧客ニーズに合わせた開発や、開発した製品の改善につながるスキルを身に着けることができます。また、チーム開発が主体となるため、チーム内でのコミュニケーションや協力、リーダーシップ力なども身に着けることができます。
SESの場合
案件によって必要とされる言語、ツール等が異なるので、多くのプロジェクトを経験したりエンジニアとして幅広く専門的なスキルを習得したりできます。私自身C#、Java、HTML、CSS、JavaScript(jQuery、Vue.js)等に加えLecourant(ル・クローン)という言語やDataSpider、JP1といったツールを使用する案件等幅広く経験を積むことができました。
プロジェクトについて
自社開発の場合
自社が独自に開発したプロダクトを製造・販売しているため、そのプロダクトに合わせてプロジェクトを進めることができます。つまり、エンジニアたちは、開発するプロダクトに対して最適な技術や開発手法を選定し、プロジェクトを進めていくことができます。また、プロダクトの開発期間中に自分たちのアイデアを反映させることができ、クリエイティブな面を発揮することができるような印象です。
SESの場合
クライアントの要望に合わせたプロジェクトを進めるため、プロジェクトの進め方はクライアントの意向によって大きく左右されます。エンジニアは、クライアントの要望に応じて技術や開発手法を選定し、プロジェクトを進める必要があります。また、プロジェクトの期間が限られていることが多いため、短期間で成果を出すことが求められます。そのため、クライアントの要望に合わせつつ、素早く適切な解決策を見つけ、プロジェクトを進めていく必要があります。
心理的安全性について
自社開発の場合
チームメンバーは共通の目標を持ち、開発プロセス全体を通じて協力して作業を進めます。また、チームのメンバーは同じ組織に所属しているため、会社文化や価値観を共有していることが多かったり1on1で不安や悩みなど話すことのできる環境があったりします。そのため、個人的な責任やプレッシャーが分散され、チーム全体で責任を共有できます。このような環境では、チームメンバーはお互いをサポートし、失敗を共有することができるため、心理的安全性が高いと言えます。
SESの場合
個人的な責任が強調され、顧客との関係によってはプレッシャーを感じることがあります。また、顧客の文化や価値観が自社と異なる場合があり、メンバー同士で意見の相違が生じることもあります。このような環境では、個人の責任が重要視され、失敗した場合には個人の責任として扱われることが多く、心理的安全性が低くなる可能性があります。
しかし、上述したような状況であれば、上司や担当営業に常駐先の変更を依頼することで、常駐先を変更することもできます。
帰属意識について
自社開発の場合
自社が開発する製品やサービスに対して、エンジニアは直接貢献できるため、自社への帰属意識は高くなります。自分たちが開発した製品やサービスが、多くの人に使われることで自分たちの仕事が価値あるものであると感じることができます。また、同僚と一緒に製品やサービスを開発することで、チームワークを高めることができ、自分たちの能力を発揮し、開発プロセスを改善していくことができます。さらに、開発した製品やサービスが市場で成功することで、自社の業績が向上し、社員自身のキャリアアップや報酬の向上につながることもあるように思います。
SESの場合
ほとんどの時間を客先のオフィスに常駐して作業をおこないます。勤怠報告や帰社日以外で自社の人と関わることもあまりなく、自社への帰属意識が持ちづらいです。定期的に派遣される現場が変わり、人間関係や環境が都度リセットされてしまうこともあります。しかし、クライアントの社員や客先に常駐する他のエンジニアの方々と幅広く関わることができます。いろいろな企業を渡り歩くため、コネクションを広げることができます。
さいごに
今回の記事では私の感じた自社開発とSESの違いについてお話しました。
自社開発はSESとは異なる魅力があり、私自身もその違いについて改めて考えられるいい機会でもあったように思います。
今回の記事が、自社開発に興味のある方にとって少しでも参考になれば幸いです。